中国二連の詐欺師が強烈過ぎた話

9月1日〜3日で美容サロンの家具を買いに中国の二連(エレンと読みます)に行ってきました。日本人には全く馴染みのない場所なのでピンと来ないと思いますが、簡単に言うとモンゴルと中国の国境の街で、基本的に何でも売っている街です。

中国で作った安いものをモンゴル人が仕入れて自国で売って稼いでいます。ちなみにここ、モンゴルの首都ウランバートルから約700キロ離れているので、往復だけで結構な時間を使います。それでもモンゴルで買うより全然コスパが良いのでわざわざ買い付けに行くのです。

 

と、二連の説明はこの辺りにしておいて、今回は僕が二連で詐欺られそうになった話をしようと思います。僕自身、めちゃめちゃ良い体験になったし、考え方やリスクのとり方を身をもって学べたので、これから商売を(特に海外)しようと思っている方の参考になれば幸いです。

コトの始まりは「配送はどうしたの?」って一声から

 

9月1〜2日で家具を決めてお金も払い後は帰るだけって時に、一緒に二連に行っていた僕のモンゴル人の友達(9年間日本に住んでたからネイティブレベルで日本語ペラペラの関西弁の変なやつ。笑)が、たまたま現地に居た友達を見つけ雑談をしていたんですよね。

「何しに来たのー?」「美容サロンの家具を買いにだよー」なんか途中色々話して、「ところで配送はどうしたの?」「普通にお店の人に任せたよ」「え?マジ?それ詐欺だよ」「は?なんで?」

 

って感じのやり取りから二連で実際に行われている詐欺の話を聞かせてもらいました。簡単にまとめると、ソファーとか高額なものは店舗に置いてある商品は「魅せ商品」で実際にはもっとランク低い安い商品が送られるとのこと。更に送料は店員が自分の財布に入れて、配送業者には着払いで送るように指示するらしい。配送業者はお店に任せるのではなく自分たちで信頼できる人を見つけて探さないとダメだ、と。

 

1時間後にはウランバートルに帰るところだったので本当にギリギリセーフ。アドバイスを来れた人から信頼できる配送業者を紹介してもらって、僕、僕の友人(関西弁のやつ)、友人の友人(おっちゃん)、配送業者(おばちゃん)の4人で慌ててお店の元へ。

 

中国人 VS モンゴル人の喧嘩の迫力が凄すぎたwww

 

お店に着くと、おっちゃんとおばちゃんが「配送キャンセルするからお金返して」と先制攻撃。当然お店側は反論してくる。

店員詐欺師(40代おばちゃん)「もう配送したから無理だよ。」

関西弁:「嘘つくな。配送は2日後って言ってたろ。しかも在庫がないから展示品を送るって言ってたくせに思いっきりあるじゃん!」

詐欺店員「たまたま在庫が1つあったから、もう配送したよ。しかも国境越えたから今更返金なんて無理」

 

これが本当なら仕方ないから諦めるしか無いが、さすが経験豊富なおっちゃんおばちゃんコンビ。

おばちゃん:「ふーん。なら車のナンバー教えて。あとドライバーの電話番号も。国境に友達いるから聞いてみるわ」

詐欺店員:「ナンバーや電話番号なんて分からない。」←この時点であり得ない。ナンバーや電話番号が分からないとウランバートルで荷物受取る時にドライバーと連絡が取れない。

おっちゃん「嘘つくな。送ってないんだろ!」このあたりからキレ始める。

詐欺店員「送ったって言ってるだろ!」こっちもヒートアップ

 

「警察呼ぶぞ!」「呼んでみろよ!」みたいな会話が始まり、ここら辺でおばちゃんと関西弁の変なやつもキレ始める。もうここからはカオス。何言ってるかサッパリ分からないけど、とにかく大声で騒ぎまくってた。ちなみに僕は全く理解できないのでソファーに座って麻雀アプリで暇つぶし。喧嘩の途中に友人から現状を聞いて、状況だけ理解してました。

 

良い感じで喧嘩がヒートアップした時に店の社長(40代女性中国人)が騒ぎを聞きつけ登場。おばちゃんとおっちゃんが事情を説明。完全に送ってないことが分かっているのに返金には応じない。「こいつら逆にすげーな」とちょっと感心してしまった。笑

 

しかしこっちは送ってない裏付けが取れているので、ひらすら攻める。新たに入ってくるお客さんに聞こえるように大声で「この店は詐欺だ!」みたいなことを言ったり、「モンゴルに帰ったらFBにこの店のことをすべて書いて拡散してやるからな」(モンゴルはFBの拡散力が凄いので広まるとモンゴル人が来なくなる)と脅してみたり。この辺りから徐々にこっち側が優勢になってくる。そしてついに社長が詐欺店員を見捨てた。(そもそも証拠が揃ってるんだから最初から白状しろって話だが)

 

社長「この件は私は知らないから彼女(詐欺店員)と交渉してくれ」とのこと。社長はこれ以上騒ぎを大きくされると店の売上に響くから早く解決したいみたいだった。こいつ無責任だなーと思いつつ社長もこっちサイドに加わったので、詐欺店員を追い詰めていく。ちなみにここまで1時間くらい喧嘩してる。多分東風戦4回はやった。

 

詐欺店員のカバンの中から送料が出てきた

おばちゃんおっちゃんコンビがガンガン攻めまくって、ようやく詐欺店員が送料を返すと言ってきた。お店の引き出しから出すのかと思えばまさかの自分のカバンから現金が出てきた。着服して着払いにして詐欺をするのは本当だった。詐欺店員めっちゃ嫌そうな顔してたなー。元々、僕のお金なのにw

謝る素振りもなく雑に返してきたけど、まぁ返ってきたからよしとしよう。と思ってお金を数えていると何故か75元(1200〜1300円)くらい足りない。お金足りないぞ!って怒っても、もうこれ以上お金持ってないよ!とキレられる。お前、何にお金使ったんだよ。苦笑

 

またワーワー騒ぎ始めると涙目社長が早く帰って欲しいから75元を代わりに払ってくれた。さんきゅー社長。ただ、こんなやつを雇ったあんたの責任だけど。

 

雇用条件が劣悪なのも問題

 

と、ざっと流れを書きましたが大人の本気の口論(何を言っているのかサッパリ分からないけど)を1時間以上間近で見てたけど、本当に凄い迫力だった。で、終わってから知ったことだけど、二連の店員は月の給与が2000元(約35,000円)くらいらしい。当然生活は苦しい。だから、僕たちみたいな経験のない情弱を狙って送料をだまし取って生活費を稼ぐしかないみたいだった。送料を詐欺ると一撃で1万円以上儲かるわけだから、旨味を知ってしまうと辞められないのだろう。まぁあの感じを見ると多分罪悪感も無いと思うけど。全く謝罪も無かったし、申し訳なさそうにもしてなかったからね。

 

社長も店員が詐欺をやっていることは絶対に知っていたと思う。知っていたけど一度ウランバートルに届けてしまえば文句を言われる可能性は相当低いから、野放しにしていただろうなー。

 

おっちゃんおばちゃんコンビも自分たちの収入を得るには僕たちみたいな大きな家具を買う顧客を見つけて送料を稼ぎたい。だから、お互い必死になって喧嘩してたんだなと。自分の生活を守るために。日本では経験できないことだったから本当に良い経験になりました。もうコリゴリだけど。笑

 

中国二連での経験は大きな学びを得ることが出来ました。日本では当たり前の商取引のルールが全く通用しない。奪う奪われるの世界で騙されたやつが悪いという風潮。自分の身は自分で守るしか無いということ。劣悪な雇用条件は悪事の原因になるということ。これからモンゴルでビジネスをする方は二連に行く機会が恐らくあると思うので、取引には十分慎重になって下さい。

 

来週は日本の社員と北京で合流して中国の更に大きなマーケットを視察に行ってきますので、面白い経験や発見があったらブログに書こうと思います。

ではでは。

 

 

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