Allbirdsとは?ブランド戦略を解説【NYに視察にいった話】

こんにちは、戸田たかひさ(@HushTug_toda)です。

モンゴルで立ち上げたD2CレザーブランドHushTug(ハッシュタグ)の代表をしています。

「D2C」というワードが登場し、世界中で注目を集めているアメリカにある靴ブランド「Allbirds」について解説していきます。

ニューヨークにある店舗に行ってきたので、店舗の様子などもレビューします。

☑本記事の内容

1、Allbirdsとは?ブランド戦略を解説
2、ニューヨークの店舗に行って実際に購入してみた話

1、Allbirdsとは?ブランド戦略を解説

Allbirds(オールバーズ)は「世界ー快適」と称されるシューズを販売しているD2Cブランドです。

オールバーズはメリノウールを使うことで最高の履き心地を実現しており、僕もここ2年くらいはずっとこの靴を使っています。洗濯機で丸洗いできるので、汚れやすいモンゴルでも問題なく使用できます。

創業は2014年に関わらず、2018年10月に新たに5000万ドル(約55億円)を調達し時価総額が14億ドルを超え、圧倒的な速さで世界有数のシューズブランドになった企業です。

ちなみにブランド名であるオールバーズ(allbirds)は、かつて探検家たちがニュージーランドを初めて発見したときに「”It’s all birds.”(鳥だらけだ)」と表現したことだと言われています。

D2Cとは

オールバーズの解説の前に「D2C」という言葉の意味を解説します。すでに知ってる方は読み飛ばしてください。

ダイレクト トゥー コンシューマーの略ですごく簡単に言えば、「自分たちで作った商品を仲介業者を通さずに直接お客様に届ける」ビジネスモデルの通称です。

一般的にこのようなモデルはSPA(specialty store retailer of Private label Apparel)と言われており、主にユニクロ、ザラなどのファストファッションブランドを指しております。

D2CとSPAび違いは、いろいろな意見がありますが、最も大きな違いは販売媒体をリアル店舗ではなくネット通販をメインに置いているところではないでしょうか。

D2Cブランドは店舗を持たない、または仮に持っていても在庫やレジがないショールーム型店舗だけで購入はECサイトからとなっているケースが非常に多いです。

そのため従来かかっていたコストを商品開発や原価率に還元することで高品質なものをリーズナブルで販売できます。

またECサイトやSNSを通じて商品ストーリーや創業者の思想や理念をしっかりと顧客に伝えれるモデルであり、僕たち世代(ミレニアル世代)に刺さりやすく、共感が生まれファン化が深まり、よりメーカーと消費者が近いブランドになりやすくなっていると思っています。

ある意味、このコミュニティもそうですよね。他のファッションブランドでこんな感じでSNSで繋がるってあまり無いと思います。

他にもいろいろな定義を提唱している人も居ますが、

①販売がネットメイン
②ネットを通じてブランディングを行う

シンプルにこの辺りがD2CとSPAの違いだと覚えておけば問題ないですね。

徹底的に絞った製品ラインナップ

創業間もない頃のオールバーズのラインナップはメンズ・ウィメンズともに、下の画像にあるレースアップのスニーカー(Wool Runners)とスリッポン(Wool Loungers)の2種類のみだけでした。

他ブランドと比較しても、商品数が圧倒的に少なく、このシンプルさが、低価格(95ドル)ながら高クオリティを製品開発を実現しています。彼らは「過剰な選択肢は、顧客に混乱を招く」とも語っており、この考え方は近年のD2Cブランドに多く見受けられる特徴と言えますね。

最高素材+環境への配慮は欠かさない

オールバーズの製品はウールやひまし油などの自然の原料から作られており、これは一般的に靴で使用されている合成材料よりも、60%も少ないエネルギーで製造することができるとのことです。

加えて素材として使用しているメリノウールはサスティナブル(持続可能性)であり、動物福祉の厳しい基準を満たしていることを示す、ZQ認証を取得しているものだけを使っています。

ファッション業界は「大量生産大量消費」が当たり前になっており、大手ファストファッションが引き起こす社会問題は世界的な問題になっています。

例えば「ファッション史上最悪の事故から5年、バングラデシュは変わったのか」などです。

このような問題へのアンチテーゼと呼べる取り組みが顧客から共感を生み、支持される理由になっています。

徹底したブランディング

オールバーズの公式Instagramと店舗の写真を見て頂ければ、日本の靴ブランドとの違いが分かると思います。

このようにユーザーの目に触れる部分、ユーザーの体験部分に徹底的に一貫した世界観を打ち出しており、ブランディングに相当力を入れていることが分かります。

公式Instagramから引用

今年の1月にニューヨークのSOHO地区にある店舗に視察に行きましたが、写真を見て分かるように従来のシューズブランドと違い、広々した店舗なのに、商品は壁際だけにしか無く、ゆったりと試着できる環境作り、素材の説明スペースなど今までにない店作りをしている印象でした。

使っている素材などの説明

レイアウトがおしゃれ…!

広い店内で居心地が最高でした。

逆に日本のシューズショップは在庫が山積みになってて窮屈でイケてる雰囲気は皆無でたたき売り感が強いので、やはりアメリカ企業はブランディングがうまいなと思いました。

ニューヨークの店舗に行って実際に購入してみた話

オールバーズの公式ECサイトから引用

2019年1月にニューヨークにあるオールバーズの店舗に行って実際に靴を購入しました。

片言の英語でも全然問題なく、店員さんにサイズを言うと試着をさせてくれます。

D2Cブランドは店舗で見て、ECサイトで注文して家に届くというケースが多いので、店舗では買えないのかな?と思いましたが、そんなことなくちゃんと在庫があり購入することができました。

画像のような紙袋に入れてもらえます。

上で紹介したように店舗が広くて、ごちゃごちゃしてる感じが全くありません。ただ商品数がそこまで多いわけじゃないので、滞在時間はわりと短めでも十分見て回れます。

余談ですがニューヨークのSOHOエリアには、「Everlane」「Away」などの他のD2Cブランドも沢山あるので、視察に行かれる方の参考になれば嬉しいです。エリアが狭いので2時間くらいあれば十分に回れました。

というわけで今回は以上です。

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